ツアー実施日:令和5年12月6日(水)
1. 目的
(公財)東京都道路整備保全公社では、都内で行う道路建設工事や道路関連施設などを見学する道路見学ツアーを企画・運営し、道路整備や維持管理の必要性をPRするとともに、都民の皆様が道路行政に理解を深める機会を創出しています。東京都第一建設事務所の協力を得て、令和5年12月6日(水)に「環2 築地虎ノ門トンネル見学ツアー」を実施しました。
2. ツアー概要
築地虎ノ門トンネルは、延長1.84キロメートルにも及ぶ大型トンネルで、令和4年12月に全線開通しました。(公財)東京都道路整備保全公社は、築地虎ノ門トンネルの管理業務を東京都より受託しています。
「環2 築地虎ノ門トンネル見学ツアー」は、今回が初めての開催となります。概要説明のあと、参加者の皆様に換気所内の様々な施設を見学していただきました。
3. 当日の流れ
①開会・見学前の概要説明
換気所内会議室にて、東京都第一建設事務所職員および公社職員による挨拶、概要説明を行い、ツアーが開会しました。
概要説明
概要説明
②換気所内見学
監視室
監視室では、トンネル内に設置されている監視モニター等を用いて24時間365日監視し、事故等の緊急対応にあたっています。また、トンネル内の様子だけでなく、気象情報も常に確認し、大雨や災害等のトンネルの通行に影響を及ぼす事象が発生してもすぐに対応できる体制を整えています。
監視室の窓からは、今後再開発が予定されている築地市場跡地を望むことができます。参加者の皆様は思いがけない眺望に感嘆し、写真を撮られていました。
築地市場跡地を撮影
監視室からの眺望(築地市場跡地)
電気室
電気室の受変電設備では、6,600Vで受電した電圧をトンネル施設の各機器に必要な電圧に変圧して供給しています。
電気室
非常用発電設備
非常用発電設備は、停電に備えて設置されているもので、エンジンと発電装置で構成されています。万が一停電が発生した際には、非常用発電機が起動し、発電した電力によってトンネルの機能を維持します。こちらの非常用発電設備によって24時間程度トンネルの機能を維持させることができます。
非常用発電設備
換気塔
築地虎ノ門トンネルの換気塔は、高さ45m(地上部)にも及びます。換気塔では、トンネル内の空気を、換気所の設備によりきれいにした上で排出しています。参加者の皆様には、普段見ることのできない換気塔内部を見学していただきました。
換気塔(外観)
換気塔(内部)
ポンプ室
ポンプ室には、1分間に最大8トンの水を汲み上げることができるポンプが4台あり、同時に3台まで稼働させることができます。また、トンネル内に勾配をつけ、ザグ点(下り坂から上り坂にさしかかる凹部)に水が集まるように設計されています。ポンプ室のポンプにより、溜まった雨水等を汲み上げ下水道へと流すことで、トンネル内が浸水することを防ぎます。
ポンプ室
消音装置室
消音機装置は、換気塔から空気を排出する際の騒音を低減させるための装置で、筒状になった「グラスウール」が複数並べられています。筒内を空気が通り抜けることにより、グラスウールに騒音が吸収されるという仕組みとなっています。参加者の皆様には、消音装置を挟んで2手に分かれていただき、消音装置に向かって互いに声を出し、聞き合うことで、実際に音が吸収されることを体感していただきました。
消音装置室
電気集塵機室
電気集塵機室では、トンネル内を走行する車の排気ガスから汚れを取り除きます。電気集塵機は、奥行きのある複数のステンレスの板で構成されています。電圧をかけられたステンレスの板の間を空気が通り抜けることにより、板に汚れを付着させ、空気をきれいにすることができます。
電気集塵機室
排風機
排風機は、トンネル内の空気を換気塔に送りだすための装置です。排風機は1秒間に約12回転します。今回の道路見学ツアーでは、停止している排風機を起動させる様子を見学していただきました。起動すると、周囲の声が全く聞こえなくなるほど大きな音が出るため、参加者の皆様は驚かれている様子でした。
排風機
排風機(内部)
汐留非常口
換気所内の見学を終え、徒歩で移動し汐留非常口を見学しました。普段は、周辺の景観に配慮し非常口の出入口は目立たずに閉鎖されていますが、緊急時には出入口が開き、トンネル内から避難する際に使用されます。参加者の皆様には、非常口が開く様子を見学し、その後、内部に入っていただきました。このような構造の非常口は珍しく、また、開くことは稀であるため、興味深く観察されていました。
非常口内部よりトンネル車道を除く
④閉会・質疑応答
汐留非常口にて質疑応答を行った後、ツアーは閉会となりました。
普段見ることができない、大規模トンネルの裏側を見学し、参加者の皆様には興味深く感じていただけたことと思います。
4. ツアーをもっと知るには
なお、本ツアーの詳細につきましては、令和6年2月1日(水)発行予定の当公社広報誌「TR-mag.74号」に掲載する予定ですので、そちらをご覧下さい。
「TR-mag.」のバックナンバーは
コチラをご覧ください。